北の国日記2016(第8話)

1 月下旬⑧

 

このところ、毎日いい天気。

暗いうちから仕事を始めて、5 時過ぎには薄明となり、日が昇る頃朝食。

そして仕事を再開するのだが、あまりの天気の良さにじっとしていられない。

10 時頃には一区切り付け、今日は先日のリベンジ、再度西別川源流に行った。

今度は車を落とさないように余裕を持って路側に留める。

 

JAF の人のアドバイスは「除雪ポールより外には出ない」だ。

 

うん、至極当たり前だが雪で真っ平らになっているとついそちらにも路盤があるように….みなさん、心しましょう!

 

かんじきを履いて森の中を川岸へと歩いて行く。

ふわふわの雪の感触がなんともたまらなくいい。

ときおりカンジキでも「ズボッ」とはいるけれど、我が体力でも足を容易に抜ける。

 

 

森の中はキツネの運動場で、そこいら中に足跡が交叉している。

雪の中に溝のようになっているのはエゾシカの歩いたあと。

ミニチュアのラッセル車が通ったみたいだ。

あるいは、弥生時代の環濠みたいだ(なんとまあ、お宅な感想だねえ)。

 

 

水辺に近づくと西別川は川面一面にとうとうと流れている。

わずか1 キロくらい上がほんとの源流なのだが既にここでは大きな流れ。

湧水群のなせる技。川床一面にバイカモの緑が美しい。

真冬でもみずみずしい緑のままなのだ。

残念ながらカンジキを脱いで水を触るとことまで近づかなかったが、恐らく水温は10 度以上、暖かいのだろう。

この時期、道東の川はほとんどが全面結氷だ。

西別川も下流では全面結氷しているだろうが水源は摩周湖からの湧水なので暖かく、一年中バイカモが緑だ。

川に入ればきっとクレソンなんかも取れるのだろうが、ちょっと水に入る勇気がなかった。

ドライフライとはいかないが、ウェットならきっとアメマスやヤマメ、ニジマスがでるんだろうなあ、と思いつつも、ちょっと釣りまでの思い切りはなかった。

 

 

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