北の国日記2016(第13話)

2 月中旬①

 

予報通り、えらく寒い日になった。

明け方の温度は-19.5 度。

 

明るくなってからの「温度計」はなんと-20.5 度を指している。

今季最低である

 

もちろん夜中薪ストーブの火は入っていたのだが朝起きて、寒い。

気弁を一杯に開けて薪をどんどん燃やす。

ウーン、こんな寒い日は標津に移住して初めての経験。

 

それこそ学生時代に12 月下旬の富士山4 合目の小屋で調査の合宿をしていてコッヘルで作ったばかりのカレーが凍ってしまった、あの時以来の感じだ。

 

だがしかし、天気は良い。

これはやはりじっとはして居れない。

川も海もさぞかし凍っていることだろうと思って午前の仕事を10 時で区切りをつけて尾岱沼に出かけた。

 

 

尾岱沼の氷原に出るところにはちょうど今から釣りに行こうというおじさん。

あとを付いて海氷の上を行く。

 

前方遥かに国後島が。

ただ見渡すばかりの真っ平らな氷原である。

 

 


暫く行ったところでおじさんは場所を決めて氷に穴を開け始める。

まっさらな穴ではなく、前日開けた穴を再度ドリルするのだ。

どうもほとんど毎日通っているようだ。

仕掛けをセットしてあとはひたすらアタリを待つ。

 

 

 

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