北の国日記2016(第2話)

1 月下旬②

 

標津に帰ってきて、もう家にじっとしてはいられない。

日が昇り、昨夜来の雪はたいしたことが無くて、風も収まり、これはもう、真っ白な道を走り野付半島へ。

 

 

国後島がくっきりみえ、野付半島の外側、根室海峡は波浪打ち寄せる海原で、内湾側、尾岱沼は凍結してひたすら銀色の平原。

 

生き物の気配はたくさんのカモメとカラスと、そしてこの時期に北海道中から集まってくるオオワシだ。

 

 

野付半島ネイチャーセンターの先まで行くと尾岱沼側の岸辺に100 頭にのぼるオオワシが、ひたすら沖合を見つめて立っている。

中には氷原の中にじっと立っているものもある。ほとんどじっとしていて動きがないがたまに飛翔するものもいる。

道路に沿って立つあっちの電柱、こっちの電柱の先でにも留まってやはり沖を見つめている。

電柱の真下までカメラを構えて寄っていっても飛び立たない。

餌を求めて人のことなど気にしていられない厳しい状況にあるようだ。

 

 

それにしても飛び立つオオワシは「神々しい」。

 

 

 

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